片付・収納の仕方

まず、雛人形を仕舞う前に お雛様の写真を撮っておく事をおススメします。
来年また飾る時に、組み立て方や配置が分かりますし、ダメージがあった場合の比較も出来ます。

収納箱に湿気も一緒に閉じ込めない様に、なるべくお天気が良く、湿気の少ない日に片付けるのが理想です。
雛人形が段飾りの場合は、下の段から収納していくと効率が良くなります。
また、お人形を持つ場合は、手や腕・袖口・頭などを持つと形が崩れます。もう一方の手で下から支える様にして優しく添えて、必ず両手で持つ様にしましょう。

  1. 雛祭りが終わったら、お雛様に御馳走をお供えして片付けに入ります。
  2. 布手袋・羽根バタキ・細筆・人形を包む布/包装紙(白紙や和紙,薄葉紙)・ティッシュペーパーや綿・暖衝材(プチプチ等)・人形用防虫剤・箱を用意しましょう。
  3. 電化製品などのクリーナーなどは使用せず、優しくハタキで埃を払いながら 細かい箇所は細筆などを使います。
  4. お人形の造りは大変繊細ですので、布手袋の着用を忘れないでください。頭や手足・衣装に、直接手を触れない様にしましょう。汚れが付着したり、人の手の脂などで 後から染みになる事がありますので気を付けましょう。
  5. 髪や衣裳に付いた埃は、毛先が柔らかな洋服ブラシなどで優しく払っても良いです。
  6. 頭や手足は柔らかい白紙かティッシュペーパー・綿などで包みます。型崩れには注意しましょう。
  7. 小物類を必ず外し、お道具や調度品も綺麗に布で拭きましょう。
  8. 雛人形が動いて傷付く事がない様に、収納ケースの隙間は紙などを丸めて埋める様にします。
  9. 防虫剤は、雛人形専用のものが理想です(毎年季節になると販売されます。)ナフタリン系の防虫剤は、飾り台・お道具セット・ぼんぼり・桜・橘など樹脂製の物と一緒にすると、溶ける場合があります。また金属製の飾り台・屏風は色素変化を起こす場合がありますので、ご注意ください。

    昔から用いられていた方法としては、箱の中に乾燥させた赤唐辛子などの虫除けを入れる方法です。人形師は昔から赤唐辛子を使っている場合が多いです。

  10. 収納する場所は、納戸や押し入れの上の段など なるべく高い所で保管すると、カビ・シミ・変色を防ぎます(下の段は湿気が多いので避けてください。)
    直射日光が当たらなく寒暖差がなるべく無い、風通しが良いところが理想です。

 

Pick Up

ひな人形用防虫剤(日本人形協会推奨)人形用防虫剤 ムシューダ 8個入毎年ひな祭りシーズンになると、ドラッグストアなどで「お人形専用の防虫剤」が販売されています。成分は、エンペントリン(防虫成分)スルファミド系防カビ剤配合で、衣装の絹糸・金糸・銀糸にも使用できます。
無臭の防虫剤ですので、お人形ににおいが移ることはありませんが、
雛人形や衣装・飾りなどの付属品に ※直接防虫剤が触れない様に気を付けましょう。

 

処分(供養)の仕方

男雛・女雛は高貴な男性と女性にかたちを借りた神で畏敬すべきものあります。
また、雛人形は持ち主の女性の厄を、身代わりとなって引き受けてくれると言われています。
役目を終える時が来た時は、今まで守ってくれたお雛様にきちんと感謝をして、供養をしてから処分しましょう。 

購入したお店で供養の受付や、人形供養のお寺などを紹介をして頂ける場合もありますが、近くの神社や寺院で人形供養やお焚き上げ供養をして頂けます。寺社によって、一体なのか一式で受付かにより費用相場が異なります。
また、供養するお人形が一定の数集まった時点で供養を執り行う事が多い為、待つ場合があります。
供養に立ち会えるかどうか、供養証明書を発行してくれるかなど、事前に確認をしてから依頼をしましょう。

または、人形感謝(供養)代行サービス「一般社団法人日本人形協会」や民間の人形供養の出張引取りサービスもあります。(宅配業者を利用する場合は送料が別途掛かります)
ヤマト運輸では「らくらく人形供養パック」や「そのまま人形供養パック」というものがあります。あらかじめヤマト運輸から指定された大きさの段ボール(大・中・小と3サイズ)があります。

もし、状態がそれほど悪くなければ リサイクルショップを利用するか、老人施設や児童養護施設・学校・ワールドギフト(国際社会支援推進会)などに寄付をするという方法もありますので、併せて御検討ください。
 

飾り方

男雛・女雛の立ち位置は、関東風では男雛が向かって左になりますが、古式の京都風では男雛を右側に飾ります。
関東・・・向かって左側が男雛で右側が女雛です。
京都や関西の一部・・・向かって右側が男雛で左側が女雛です。
ちなみに、現在の結婚式は新郎は向かって左、新婦は右に座ります。

後ろには金屏風を立て、両脇にぼんぼりと、二人の間には桃の花をさした瓶子(へいし)をのせた三方(さんぼう)飾りを置きます。

三段・五段・七段などの段飾りの場合は、段の数によって飾り方は変わります。
三段飾りは、お内裏様とお雛様・三人官女・お雛様の嫁入り道具などが飾られます。
五段飾りは上記の三段飾りに、五人囃子と仕丁を加える事が多いです。商品によっては、仕丁の代わりに随身(右大臣・左大臣)を飾る場合や、仕丁と随身を同じ段に飾っ七段飾り同様十五人全てを飾る場合もあります。

一段から七段までを簡潔にまとめますと、以下の様になります。

  • 一段目:お内裏様
  • 二段目:三人官女
  • 三段目:五人囃子
  • 四段目:隋臣
  • 五段目:仕丁
  • 六段目:嫁入り道具
  • 七段目:御所車や籠、重箱

 

桃花酒について

上巳の祓いには、桃の花を浮かべた桃花酒(とうかしゅ)を飲み、厄や万病を避けたといいます。1804年頃から桃花酒に代わって白酒が用いられる様になりました。現在は、子供達も飲める様に甘酒を振る舞う事が多くなりました。
 

 雛の膳(祝い膳)

【東京の雛の膳】は、蛤の澄まし汁・鯛のお刺身・赤貝の酢味噌和え・姫かれい・菜の花のおひたし・ちらし寿司・赤飯・卵焼きえ・雛板・桜餅などが供されます。

 

【京都の雛の膳】は、蜆(しじみ)の澄まし汁が定番です。貝類や彩りの鮮やかな”ばら寿司”が好まれます。
お菓子には昔ながらの「ひきちぎり」が添えられます。

 

 

 

蛤のお吸い物の作り方 

 

はまぐりのお吸い物は、はまぐりと昆布のだしのみで作るので、正式には“潮汁(うしおじる)”と言います。
また、貝殻がぴったりと合わさった二枚貝に、良縁を願う気持ちが込められているという説があります。
 
はまぐりのお吸い物 (3人分くらい)
はまぐり…250g 水…500ml 昆布…1枚(約5g) 
酒…大さじ1 塩…ひとつまみ

 

 

菱餅(ひしもち)について 

 

菱餅

菱餅は上から桃・白・緑色の三色となっています。このそれぞれの色には意味があります。桃(桃の花)は魔除け・白(雪)は清浄・緑(新緑)は健康を表しているとされ、さらには「白い雪が解けると大地には新芽が芽吹き桃の花が咲く」といった意味があるとも言われています。

なぜ菱形(ひしがた)なのかは、大地を表す・心臓を表す・長寿の願いを込めた・子孫繫栄を願ったと言われています。